収支の計算
リバT『前回、あなた達は混沌迷宮の1層めの奥で、ミイラ男を倒して、捕まっていた黒エルフの部族長を救出するミッションに成功しました』
アートス(アスト)「そして、今度は敵対しているオークの部族との和平交渉を依頼されたんだったな」
ダルタニア(ダイアンナ)「戦いしかできない冒険者に、和平交渉を頼むなんて、黒エルフの族長も人を見る目がないみたいだね」
アートス「って、魔法使いのセリフじゃないだろう、それ? 確か、お前は【友情】って呪文を覚えていたんじゃないのかよ!?」
ダルタニア「覚えてるけど、使ったことはないんだよ。何だか【炎球】を撃ち込んで一掃した方が早いし。相手と話し合うより殲滅した方が楽じゃないか?」
アートス「確かに、交渉した方がお得な相手と出くわした試しがないな」
ダルタニア「と言うことで、オークに対峙しても、まず倒す。話し合うのは、戦いに勝ってからだ。連中もそういう流儀みたいだから、口八丁の高慢なエルフよりも信用されるかもしれない」
アートス「交渉事では、相手の流儀に合わせたうえで、一角の人物であることを示さないといけないからな。どれだけ立派な人物でも、流儀を外したやり方じゃ、納得のいく打ち解け方はできないってことか」
ダルタニア「策士には相手の策を見抜いているように示し、脳筋には自分も体育会系だと筋肉を誇示し、オタクには自分もマニアだと披露することで、初めて会話が成り立つ。もちろん、その分野において互いの力量や見識を認めて、相応の敬意を抱くのが理想だけど、知識はなくとも知識への憧れを示すとか、腕力はなくても格闘技ファンとして応援してるとか、コミュニケーション手段はいろいろさ」
リバT『オークとのやり取りをどうするかは後に回して、前回の収入をまとめましょう。換金用アイテムは以下の通りです』
- チェスのコマ2個(合計金貨16枚)
- ミイラのアクセサリー(金貨6枚)
- 大きな宝石(金貨30枚)
- アクセサリー(金貨24枚)
アートス「合わせて金貨76枚か。オレが使った聖水(金貨10枚)の補充分を、必要経費として払ってもいいか?」
ダルタニア「じゃあ、その代金を差し引いて、残り金貨66枚を2人で山分けとしようか」
ターコイズ(カニコング)「あのう、吾輩の分は勘定に入らないのでごわすか?」
アートス「戦わない従者は、斥候を除いて、無料で雇える。元々、NPCなんだから給金を払う必要はないんだ。強いて言えば、普段から宿賃や食費を払うことで、こっちが面倒を見てやっていると解釈している」
ターコイズ「むむっ。わざわざ危険を冒して、迷宮に同行して武器の管理や手入れをしているのに、ボーナスももらえない奴隷みたいな待遇とは……」
アートス「お前は、その混沌の影響で生えてきた触手を制御する目的で、オレたちの探求に付いて来てるんじゃないか? 必要最低限の生活費は払ってやってるんだから、贅沢を言ってるんじゃないぞ。悔しかったら、お前も武芸を磨いて、戦いに参加してから言うんだな」
ターコイズ「くうっ、吾が女神よ。太刀持ち従者が、戦う従者の役割を兼職するルールは用意されていないでごわすか?」
リバT『残念ながら、従者の兼職ルールは認められていません。プレイヤーキャラの兼職でさえ、レベル25以上だと言うのに、従者の成長ルールなんて需要があるのでしょうか?』
ダルタニア「太刀持ちとランタン持ちを1人でまかなえるようになれば、従者点を別に回せるんだけどね」
アートス「そう言えば、ランタン持ちのランちゃんはほとんど喋らないな」
リバT『……基本的にその子は無口なんです。GMやりながら、NPCのロールプレイをしていると、ゲームの進行が遅くなりますし』
ダルタニア「まあ、冒険中にヒントが必要なときに喋ってくれたらいいさ。小さな女の子が危険な迷宮に付いて来ているのだから、怯えて言葉が出なくなっても無理はない」
リバT『部屋に入るたびに、ランちゃんのコメントを入れたらいいのでしょうかね』
アートス「無理に喋る必要はないぞ。何かセリフを思いついたら、でいい。元々、従者NPCなんだから、シナリオでセリフが書いているわけでもないんだろう?」
リバT『それはそうですけど、一応、ここのイベントで喋らせようってのは考えているのです。ただ、そのイベントが出て来ないだけで』
ターコイズ(カニコング)「だったら、この吾輩が、一人二役でラン嬢の役も演じようか?」
アートス「そいつはよせ」
リバT『うちのランちゃんが触手教団の巫女にされそうなので、お断りします』
キャラの成長
リバT『では、レベル14に成長したキャラデータですね』
●盗賊剣士アートス(レベル14)
・技量点2
・生命点6+魔法の革鎧3=9
・器用点4+革鎧1=5
・従者点1(太刀持ち従者)
・両手剣攻撃4(初手のみ。以降3)
・弓攻撃5
・スリング攻撃 6(命中マイナス1+魔力ボーナス2で、実質+1)
・装備品:金貨9枚、食料2食、魔法の両手剣、長剣、短剣、弓矢、魔法の革鎧、スリング
・所持品:ランタン、ロープにつないだニワトリ(2羽)、導きの石弾(5個)、聖水、ハチコロリ
アートス「今回、オレは生命点を1点上げて、アイテムを6個まで持てるようにした。あと、金貨75枚を費やして、両手剣を魔法の両手剣にバージョンアップした。特別機能として、触手でベトつかないように殺菌効果付きでな」
ターコイズ「そこまで触手を嫌わなくてもよいではないか」
アートス「いちいち武器を持ち替える際に、お前が触手を強調するからだろうが。オレの剣には触手避けの魔力が働いているので、触手にダメージを与える。だから、触手は触れることすらできない。今後は、触手じゃない普通の両手で大事に扱うんだな」
ターコイズ「そんな小学生のバリアみたいな言い分が通るとでも思っているのか?」
リバT『まあ、触手も、触手避けの魔法も、ルール上は何の意味もないフレーバーですからね。あなた方だけで、自由に言い合っていて下さい。では、次にクイーンのダルタニアさんです』
●魔法剣士ダルタニア(レベル14、未使用経験点1)
・技量点1
・生命点7+鎖鎧1+丸盾2=10
・魔術点6
・魔法の剣攻撃2(初手のみ。以降1)
・防御点2(鎖鎧で+1効果込み)
・従者点1(ランタン持ちのランちゃん)
・装備品:金貨101枚、食料2食、魔法の剣、長剣、短剣、鎖鎧、丸盾
・所持品:ランタン、安らぎのフルート(使用回数2回)、ハチコロリ、黄金の鍵
・習得魔術:【炎球】【氷槍】【友情】
ダルタニア「あたしは前回も言ったように、【火吹き獣】を入手する目的で、今回は経験点を貯めておくことにした。次回に、もう1レベル上げた段階で、従者点を+1して、騎獣を購入するつもりだよ」
リバT『お金は使わずに貯めているのですね』
ダルタニア「とりあえず、【火吹き獣】のために金貨20枚を残しておくんだけど、他に欲しいものもなくてね」
リバT『混沌都市ゴーブ用の特別なアイテムも売ってますが?』
ダルタニア「寄生虫とか変なのを売っているのを確認したけど、そっちでも従者点が必要なので、使い勝手が悪いと感じた」
リバT『そうですか。新作シナリオが出るたびに、その関連都市などで購入できる特別なアイテムや装備も追加されますので、お気に入りのアイテムが出るまで金貨を貯めておくのもありでしょうね』
ダルタニア「何にせよ、このシナリオでは【火吹き獣】がお気に入りってことさ」
リバT『では【火吹き獣】入手に向けての、2層め攻略を頑張ってくださいませ。ただ、今回の記事は短いけど、ここまでということで』
(当記事 完)