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「奈落の帝王」攻略感想(その7)

奈落の帝王バイソスの背景

 

リモートNOVA『前回は、変幻の森の奥に住まう賢人アレセアの助言で、〈奈落の帝王〉の侵略軍に対抗する《ジェーラの煙》を活用し、ついにはバイソスと名乗る黒幕をこの世から放逐することに成功した』

 

アスト「一気に話が進んだ感だな。後は、バイソスの拠点の奈落に乗り込んで行って、倒すだけか」

 

NOVA『とりあえず、ここまでを制限時間内に達成できれば、もう時間経過を気にする必要はないわけで。さて、このラスボスのバイソスについては、AFFサプリメントの「魔界ガイドブック」に背景情報が書かれているので、紹介しておこう』

ダイアンナ「そのサプリメントは、2022年に邦訳出版されたものだから、比較的近年なんだね」

 

NOVA『原書が出たのも2019年だ。FFシリーズの多くの敵キャラはワールドガイドの「タイタン」に記載されているんだが、ザンバー・ボーンとか載っていない者もいて、「超・モンスター事典」や「魔界ガイド」といった近年のサプリが出るまで、正体がよく分からん(ゲームブック内の断片的な情報しか手掛かりがない)状態だったわけだ。しかし、そういうのが公式に情報補完されると、昔の作品を今、プレイする意味を感じたりする』

 

アスト「それで、〈奈落の帝王〉はザンバー・ボーンと同類の敵ってことか?」

 

NOVA『異次元の敵だけど、領域が違うんだな。あと、奈落と訳されているけど、FFではピット(穴)とアビスのどちらも奈落と訳されて混同しないように注意したい。「モンスター事典」では、ピットを奈落と訳し、魔界とほぼ同義で扱われている。魔界は、8つの領域から成り、ザンバー・ボーンはその1つである「血界(プレーン・オブ・ブラッド)」に所属する「死者の大地」を拠点としている。元々は、ニカデマスさんらと同じ師匠ヴァーミスラックスの元で学んだものの、闇の魔術に傾倒した罪で裁かれたのが、亡者として甦った経緯があるんだな』

 

ダイアンナ「最初はただの人間だったんだね」

 

NOVA『ああ。ザンバー・ボーンは魔王子(デーモン・プリンス)と違って、生粋の魔界生まれではない。一方、〈奈落の帝王〉バイソスも元々は「カラメール周辺の点滅海地域にいた冒険者という設定が、魔界ガイドの16ページに書かれてある』

 

アスト「何と、そいつも元は普通の人間だったのか」

 

NOVA『本人は〈奈落の帝王〉と大仰な呼称を名乗っているが、当然、魔界全てを支配しているわけではない。彼の領域であるアビス(今は「深淵」と訳される)は、「白金界(プレーン・オブ・プラチナム)」に属していて、そこは大気の精霊力が強く、鏡のように反射する金属や、氷、水晶からできている。〈雪の魔女〉が契約した氷魔神も「白金界」の「氷の平原」が出自だったりしていて、〈奈落の帝王〉と〈雪の魔女〉の力の根源は意外とつながっていたことに、俺自身、驚かされたりしている』

 

ダイアンナ「え? だったら、〈雪の魔女〉の後継者になったリサと、〈奈落の帝王〉の後継者になるリーサンって、魔界の中では同じ「白金界」に由来する縁戚関係ってこと?」

 

NOVA『意図的に狙ったわけではないんだが、たまたま偶然、うまく関連づけができた感だな。もっとも、〈雪の魔女〉は氷魔神だけでなく、吸血鬼として「血界」の力にも通じているようだ』

 

ダイアンナ「シャリーラも元々は人間で、氷魔神と契約した後で、吸血鬼になった設定だけど、本人は別に魔界に住んでいるわけではなかったよね」

 

NOVA『ああ。アランシアから魔界に引っ越ししたわけではないが、バイソスは「白金界」に自らの領域を築くに至った大物だ。そして、おそらく冒険者時代に何らかの恨みでも抱いたのか、いつか点滅海周辺の不和を煽って、その地の都市国家を粉砕しようと企てているらしい』

 

アスト「後付けながら、公式にそういう背景が設定されていたんだな」

 

NOVA『そういうこと。だから、そんなバイソスから、魔界の領域を奪いに行くリーサンの物語が今から始まるわけだ。カラメール王国を乗っ取ろうとしたわけだから、その報いは自らの帝国と称する領域を乗っ取り返されることで償わなければいけない』

 

ダイアンナ「別に、リーサンはそういう帝国簒奪を狙っていたわけじゃないだろう? 〈奈落の帝王〉の後継者になったのは結果論ってことで」

 

NOVA『しかし、まあ、バイソスが元々、人間の冒険者だと知ったのは、プレイヤーとしてありがたい話さ。「運命の森」の地下の〈炎の魔神〉のように、自分の意思を失って強制的に人外化させられるわけでもないわけだからな。リーサンもあくまで、冒険者として力を付けた延長として、魔界の力に縁した結果という話だ』

 

川を越えて魔界へ

 

NOVA『さて、〈奈落の帝王〉バイソスをこの世界から放逐することに成功したわけだが、魂を抜かれた人々が元に戻るわけではない。行軍を命じられなくなったので、虚ろな表情で立ち尽くすだけだが、このままにしておくと肉体がただ朽ち果てて行くだけだ。奪われた魂を何とか戻してやらないといけない』

 

アスト「怪人を倒すと、洗脳された人々が元どおりってわけにはいかないんだな」

 

NOVA『次にどうしようかと思っていると、使い魔のカデューサスを通じて、賢人アレセアから伝言が届く』

 

ダイアンナ→カデューサス(ヘビ)「パラグラフ238番によると、魔界に向かったエンシメシスは失敗した模様です。ですから、人々の魂を救うのは、リーサン・パンザ、あなたの仕事です。魔界に向かうには、付近の谷川の地下から洞窟に入ると、バイソスの奈落帝国の入り口に通じているとのこと。早速、向かうとしましょう」

 

NOVA『川伝いにあの世へ行け、という仕組みなんだな。そんなわけで、馬のエスガンよ。せっかく名前をつけたのだが、ここでお別れのようだ』

 

アスト→エスガン(馬)「やれやれ。だったら、オレだけでカラメールの街に帰るとするか」

 

NOVA『そうだな。街に帰って来れるなら、ダンヤザードたち宛ての手紙でも託すとするか。内容は、〈奈落の帝王〉の所業を簡潔に記して、「一応、敵の黒幕はこの世から追放した。しかし、人々の盗まれた魂を取り戻すためには、俺があの世に行く必要がある。魂を抜かれた人々は現在、実害がないと思うが、経過観察のうえで、元に戻ったら彼らの日常復帰サポートをよろしく頼む。ちょっとした被災者支援活動ということで、国の復旧立て直しの一環で行政がしっかり守ってやってくれ。キャロリーナやラメデスが生きていたら、必ずそうしていただろうからな」と、国が為すべきことを指示通達する形だ』

 

エスガン(馬)「では、その手紙を配達する任務は、必ず果たすとしよう」

 

NOVA『ああ、世話になったな、我が愛馬エスガン。お前は英雄の乗馬にふさわしい勇気を示してくれたよ』

 

エスガン(馬)「こうして、騎手なき馬はカラメールの街に走り去るのであった」

 

NOVA『では、カデューサスの案内で、川伝いに進むか』

 

カデューサス(ヘビ)「ゲームブックの文章によれば、辺りの木材を利用して間に合わせの筏(いかだ)を作って、川下りをするみたいですね。そうすると、山腹のトンネルに入って、奈落への入り口に到達できるようです」

 

NOVA『FFシリーズは、昔から川を越えることが物語の後半あるいは終盤への境界を意味するみたいだからな。西洋の種々の伝承でも、川渡りがこの世とあの世の界渡りを意味するメタファーと聞くし』

 

アスト→ファイン(剣)「では、馬が退場したので、以降は剣をロールプレイするぞ」

 

NOVA『ああ。一応、剣を失うルートもあるんだな。変幻の森でトロールに出会った際に、先走って川の中にいるトロールに剣で斬りかかって行ったりすると、トロールの投石が頭に当たって気絶。剣をなくしてしまい、川に流されて、今いるパラグラフ89番にショートカットしてしまう展開になる』

 

ファイン(剣)「それって、最悪な展開ではないか。剣を失うなど、FF冒険者にとっては重大な失態」

 

NOVA『確かにな。剣を失うのみならず、そのルートだと「賢人アレセアに会えない」「バイソスを放逐する前に奈落に突入」ということで、フラグがいろいろと立たないにも関わらず、結構、奥まで進めてしまうんだな。「地獄の館」もそうだけど、攻略不能状態で延々とストーリー展開をさせられてしまうことが一番の無駄足と思わせられる。これなら、まだ即座にバッドエンドと分かる方が親切ってものだ』

 

カデューサス(ヘビ)「ここまでで、必要フラグを整理してみますか」

 

  1. におい玉をゲットして、途中で捨てない:奈落でのバイソスとの決戦で、におい玉の中の薬草を食べていないと、水晶の息の魔力に抗えない。本作における最重要アイテムと言っても過言ではなく、これ絡みの仕込みが非常に多い。
  2. 謎かけ盗賊と会う:会って瓶を入手しないと、現世のバイソスに勝てないので、そこで詰む。
  3. メマを助ける:エンシメシスとアレセアの情報が手に入らないので、バイソスの軍隊を突破するためのジェーラの葉が入手できずに詰む。
  4. 《ハエ刺し》を習得する:この技がなければ、ラメデスを地下から助け出せず、カラメールの裏切り者を断罪できない。
  5. カラメールの裏切り者を断罪する:仮に、カラメールに報告に戻らなくても、奈落に入ってバイソスを倒すことはできるが、裏切り者が生存している状況では、主人公が〈奈落の帝王〉になっても、当面、現世に干渉できないので、裏切り者のカラメール支配を誰も止めることができないまま、バッドエンドを迎える。
  6. アレセアから、におい玉の使用法を聞く:これを聞きそびれると、1にあるように最終盤で詰む。ジェーラの葉の話は普通に物語を進めると確認しやすいが、におい玉の情報は奈落に入るまでは選択肢にも表れないので、情報をつかみ損ねたままだと、終盤まで気づかないことも多い。

 

NOVA『本作はフラグが本当に密に連鎖したりもしているので、あるフラグを立て損なうと、物語的に詰む展開が多くて、しかもそれに気づくことが随分と遅くなったりもする。もちろん、その場その場のパラグラフ選択ミスで突然バッドエンドを迎えることも多いので、パラグラフ解析やフローチャート作りもせずに、正攻法(メモを取らずに記憶頼りで読み進めるだけ)だと、まず解けない難易度の高さだ』

 

カデューサス(ヘビ)「だからこそ、攻略記事の書き甲斐がある作品ということですね」

 

NOVA『で、川から奈落突入ルートはパラグラフ89番なんだが、ここでの選択肢は2つ。地下川の岩棚にずぶ濡れ状態で打ち上げられた主人公という状況で、トンネルを抜ける陸上ルートか、川の中に見えるアーチ柵を通過する水中ルートか、どちらに進むかって話』

 

ファイン(剣)「水中に潜るメリットは?」

 

NOVA『バトル1回で進めて、近道だな』

 

カデューサス(ヘビ)「陸上ルートは、バトルが多くて遠回りってこと?」

 

NOVA『バトル回数は選択肢次第だが(最低0回)、イベントが少し複雑で、最適解を知らない初見だと苦労させられるかも』

 

ファイン(剣)「逆に言えば、最適解を知っていれば、ノーリスクってことか?」

 

NOVA『その通り。まあ、どちらへ選んでも問題なく先に進めるのは、本作では珍しいルート選択と言えよう』

 

カデューサス(ヘビ)「では、先に近道の水中ルートを通ってみますか」

 

NOVA『すると、川底にいろいろと宝が散らばっているのが見えた。とりわけ、気を引いたのは宝石を散りばめた立派な剣で……』

 

カデューサス(ヘビ)「宝石! それはもちろんゲットするしかない」

 

ファイン(剣)「いや、オレという立派な剣があるのに、他の剣なんていらないだろう。罠だったらどうするんだ?」

 

NOVA『罠なんだな、これが。この罠は、地上でトロールを攻撃しようとして川落ちして、剣を失った場合には非常に効果的だと思う。剣をゲットしようとして、力を込めようとしたら思わず息を吐き出してしまい、しかも剣が川底から抜けずにもがいているうちに溺れてしまう。自分の貪欲さを呪いながらのバッドエンドだ』

 

ファイン(剣)「まあ、オレという名剣があるのに、別の剣に浮気した罰だな」

 

NOVA『ちなみに、俺も初見でこの罠に引っ掛けられたよ。トロールを攻撃して、剣を失ってしまったら、どう考えても引っかかるだろう。うまく誘導しやがったな、と感じ入った次第。だけど、水中の宝や剣を無視して泳ぎ続けると、やがて地下川は格子から滝となって流れ落ちる。自分は格子に捕まって一息ついて、それを伝うことでトンネルに行き着いた。そこで緑色の爬虫人類ココモコア2体(技5、体6と5)と遭遇。しょせんはゴブリン程度のザコだからノーダメージで一蹴したけどな』

 

カデューサス(ヘビ)「つまり、宝に惑わされなければ、簡単に突破できるルートなんですね」

 

NOVA『なお、ココモコアからは「宝石を目の形にした工芸品」と「宝石を散りばめた髪飾り」が入手できたので、ちょっとした戦利品に気分良くなりながら、パラグラフ82番の丸天井の部屋に到達する。そこで陸上ルートと合流するので、見出しを変えて、そちらもチェックしてみよう』

 

トンネルを抜けた先は

 

NOVA『パラグラフ89番から、改めてトンネルの方を進んでみる。そちらはまず前方を火の壁が塞いでいる』

 

ファイン(剣)「いきなり、厄介ではないか」

 

NOVA『そこで川に戻る選択肢もあるが、勇気を出して飛び込むと、ただの幻影だと分かった。その先ではマークロンという銀色の皮膚をした4人のヒューマノイドがいて、彼らと戦うか、それとも友好的に振る舞うかで、ここを突破する難易度が変わってくる』

 

カデューサス(ヘビ)「そういう選択肢が出るということは、平和的に解決できる相手ってことですね」

 

NOVA『下手に攻撃すると、4体のココモコアと戦うことにもなるし、マークロンの魔法使いの放つ火炎呪文に焼き殺される可能性だってある。「超・モンスター事典」によれば、マークロンは友好的な冒険者文化を模倣した種族みたいで、会話は通じないが、気持ちは通じる不思議な連中らしい。奈落の尖兵ではないようなので、トレジャーハンターのハンドサインを示すと、お互いにご同業だと理解してもらえたようだ。連中を前に押し立てて先へ進めると、前方の部屋がたいそう危険らしく、慌てて引き返してきた。それがパラグラフ82番で、水中ルートと合流する』

 

ファイン(剣)「危険なのか」

 

NOVA『ああ、本当に危険だ。ここで時間点がチェックされて、18以上だといきなりバッドエンドを迎えてしまう』

 

カデューサス(ヘビ)「え? 20でバッドエンドですよね」

 

NOVA『そう思っていたら、実は18でもバッドエンドになる巧妙な仕掛けだったという』

 

ファイン(剣)「今の時間点はいくらだ?」

 

NOVA『ギリギリ17だ(笑)』

 

ファイン(剣)「何で、そんなにギリギリなんだよ?」

 

NOVA『最初の選択で、北へ向かって時間点を3点加算してしまったからだな。だけど、ソフィアの死亡イベントはそうしないと見られないし、最適解を選べば14で、ここに漕ぎ着けたと思う』

 

カデューサス(ヘビ)「時間点14と17の違いはありますか?」

 

NOVA『ない。13〜17までは、メジェム=ノソス(技10、体10)というモンスターと戦わなければいけない。時間点12以下だと戦わなくて済むみたいだが、どうもそれはカラメールへの報告ルートを通らなかった場合のみ、ありそうな数字なので、グッドエンドを迎える前提では、化け物と戦うのが必須イベントらしい』

 

ファイン(剣)「よく知らん名だが、一体どのような魔物だ?」

 

NOVA『例によって、「超・モンスター事典」に記載されているな。奈落から呼び出された刺客デーモンの一種で、触手とカニバサミを持ったネバネバ甲殻類って感じの見た目をしている』

 

ファイン(剣)「なるほど。カニコングが推しそうな魔物だな。おぞましい。早速、切り捨てるべし」

 

NOVA『では、イベントの順番は多少前後するが、先にバトルだ。(コロコロ)あっ、いきなり6ゾロを出したので、一撃必殺が発動したよ。よっしゃ、ラッキー♪』

 

ファイン(剣)「素晴らしい。それでこそ、我が持ち手にふさわしい英雄の技」

 

NOVA『では、本当はバトル前のイベントなんだが、ここでは先行した魔法使いエンシメシスさんが瀕死の重傷を負って倒れているんだな。彼はメジェム=ノソスに襲われて死にかけた状態で、警告してくれるんだ。恐ろしいメジェム=ノソスが戻って来る前に逃げろって。でも、その言葉に従って逃げると、不意討ちされてバッドエンドという罠。作者さんは意地悪すぎるでしょうと思いながら、逃げちゃダメだ、戦うべし、というのが暗殺者ハンターの流儀ってことだな。そう、暗殺者は逃げた隙を突いて攻撃して来るんだから、来ると分かっているなら隙を見せずに一撃必殺の返り討ちにするのがプロの流儀って奴さ』

 

カデューサス(ヘビ)「さすがはリーサン・パンザ。サソリ会の暗殺者13人を全て返り討ちにした伝説は伊達じゃないと言ったところですね」

 

NOVA『もう、属性・暗殺者を持っている敵に対しては特効を備えているようなキャラ付けだからな。ここぞというところで6ゾロ一撃必殺効果が出ると、我ながら見事なダイス目ロールプレイと感じ入ったわ』

 

ファイン(剣)「で、エンシメシスさんはもう助からないのか?」

 

NOVA『残念ながらな。あとゲームブックではただの演出なんだけど、メジェム=ノソスは鋭い音に弱いんだな。だから、エンシメシスさんは護身用アイテムとして銀の呼び子をくれて、主人公も呼び子を吹き鳴らしながら戦っていると文章表記されているんだけど、一撃必殺効果が出たんだから、呼び子はあまり関係ないよねって』

 

ファイン(剣)「きっと、あまりに鋭い剣の太刀筋がソニックブームを発生させ、超音波斬りという必殺音撃を浴びせたのだろう」

 

NOVA『そうなのか? じゃあ、《ハエ刺し》に次ぐ新たな奥義《超音波斬り》を取得したことにしておくか。あくまで演出だけど。なお、AFF用のルールでは、メジェム=ノソスは防御効果が高くて、通常攻撃でダメージを受ける際に1Dを振って1〜2でノーダメージ、3〜4でダメージ1点、5〜6でダメージ2点になる仕様なんだけど、笛や管楽器の音に弱くて毎ラウンド3点ダメージを与えられるルールなんだな。ゲームブックではただの文章での演出だけど』

 

カデューサス(ヘビ)「とにかく、エンシメシスさんの仇はこれで討ってやったということですね」

 

NOVA『しかも、エンシメシスさん、こんなことを言うんだ。「部屋の中央の砂に立ち入ってはいけない。奈落の帝国に通じているから!」って。いやいや、だから奈落の帝国に向かう目的で、ここに来たんじゃないか。こっちを心配しての発言かもしれないが、ここまで来て、怖気づくリーサン・パンザじゃない。せめて、安らげるようにこう言うぞ』

 

リーサン『心配するな。この俺は賢人アレセアより遣わされて来たんだ。あんたの弟子メマも親御さんの元に返してやったし、あんたが果たせなかった使命も必ず果たしてみせる。カラメールの英雄リーサン・パンザの名にかけてな』

 

カデューサス(ヘビ)「そうですよ、エンシメシス。あなたの魂の平穏は、賢人アレセアの名にかけて祈って差し上げましょう。安らかにお眠りなさい」

 

エンシメシス『ああ、アレセア様。これで思い残すことは何もありません。リーサン・パンザ様、英雄としての御高名はかねてより伺っておりました。メマを助けていただき、ありがとうございます。くれぐれもご武運を。ぐふっ』

 

 こうして、魔法使いエンシメシスは、リーサンに使命を託して逝った。

 リーサンは、地下川から通じる奈落の帝国にいよいよ突入する。

 一人の現世の英雄が異界の帝王と対決し、その座に挑む決戦は近い。

 パラグラフ383番に続く。

★リーサン・パンザ(奈落の帝王ver)

 

・技術点:12(丸盾+1)

・体力点:16/20

・運点:12

 

・食料:5→3

・金貨:21

・時間点:17

 

・装備:ファングセイン鋼の剣、革鎧、背負い袋、におい玉、幸運のポーション(グルシュ)、丸盾(戦闘時に、剣といっしょに使うと技術点に1を加える)、キツネノテブクロ、宝石を目の形にした工芸品、宝石を散りばめた髪飾り、銀の呼び子

・特殊技:《ハエ刺し》、《超音波斬り》(6ゾロの一撃必殺効果の演出異名)

 

・情報:色の変わる傷を受けた。

    におい玉の薬草(パアラ、マアスト、テス)を奈落で食べると、

    水晶の息の効果を無効にできる。

(当記事 完)


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